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見えないものを形にする「課題解決×Graphic Recording」

こんにちは。myonです。

いろんな場所で自分の考えやアイディアを発信していくにあたって、何かよい方法がないものか?と思い、あたまの中身を表現するための手法のひとつとして、「Graphic Recording」なるものの勉強会に参加してきました。

このワークショップで学んだことを忘れないように整理し、ここに綴ります。

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概要

Graphic Recordingとは?

日本におけるGraphic Recordingの第一人者である清水さん曰く、「議論をビジュアル化で可視化し、共有する方法」とのこと。

つい表面的な調整(ユーザーのことを考えずに、担当者の一存で色を変更する、ページ設計を変える等)に流されてしまいがちな時に、もっと本質的な部分と向きあって議論できるように、それを見える化して円滑にする手法です。 

種類

グラフィックレコーディングは、下記4つに分類されており、目的によって使い分けていきます。

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1. アーカイブ×タイムラグレコーディング

インタビュー内容の編集などをアーカイブ用に記録する

2. アーカイブ×リアルタイムレコーディング

イベントやTVのパフォーマンス的な要素を絵で表し、盛り上がっている感の演出を行う
3. 課題解決×タイムラグレコーディング

議論の内容や発話の内容を整理し、プレゼン用にまとめる

4. 課題解決×リアルタイムレコーディング

発話を促し、論点をまとめ、結論を導き出す 

課題解決×リアルタイムレコーディング

今回は、4.課題解決×リアルタイムレコーディングの分野に絞った内容のワークショップ。一言で「課題解決のための」と言っても内容は様々で、清水さんによると、レベルが6段階あるとのこと。それを踏まえて、前半LEV1-LEV3は、「相手にわかりやすく絵に描いて伝える」基礎編、後半LEV4-LEV6は「議論を見える化して、客観的に俯瞰し、結論を導き出す」応用編を順番に学びました。 

  • LEV1:イラストで描ける
  • LEV2:ビジュアルの意味が伝わる
  • LEV3:ビジュアル化したことで、相手に喜ばれる
  • LEV4:ビジュアル化したことで、議論が活性化する
  • LEV5:ビジュアル化したことで、思考が整理され、それを踏まえた議論ができる
  • LEV6:アイディアの精度が高まり、内容を理解した上で、充実した議論ができる 

[LEV1-LEV3] 相手にわかりやすく絵に描いて伝える

何はともあれ、描いたものが伝わらなくては元も子もない…ということで、「わかりやすい絵」を描くコツを教わりました。

 POINT

意識するべきは、以下3点。パッと見ただけで相手が「あ!これはそういうことなんだね」と理解できることが重要なポイント。

  • icon
  • 関係性
  • 文脈
 icon

はじめに出されたお題としては、『まずは人間を描いてみてください』というもの。こんな感じで描いてみました。小さい頃、マンガばっかり描いて遊んでたことがちょっと役に立ったかな…私もここまではなんとか…!

一番簡単でわかりやすく描ける方法は、アルファベットのAの尖った頂点に○をつけ、横棒のサイドに手を表す線をつける、というものだそうです。

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関係性

「去年に比べて今年は売上が二倍になった」というように、ふたつの要素が合わさったものを表現します。これグラフじゃないか…!でも、それもOKなのです。長さや大きさを変化させて、パッとみてわかるようにすると、様々な表現をつくることができます。 

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文脈

具体的には、「マーケット」とか、「ソリューション」とか、そういう複数の要素が絡んだものの関係を表すもの。下記はがんばって「マーケット」を描こうとした残骸です(かなしい)

ダイレクトなモノがない場合は、それを連想できるような絵で表現するのがコツなのだとか。たとえば、私と同じチームの方は、「マーケット」を、株価の変動を表すボードとお金のiconで表現しており、すごく分かりやすかったです。 

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  これら3点を押さえた上で、アウトライン(人やものの外側の線)をマジックで太く強調し、さらに強調したい部分には異なる色を塗って強調すると、より伝わりやすいものができるそうです。  

 [LEV4-LEV6] 議論を見える化して、客観的に俯瞰し、結論を導き出す

相手に伝わる絵が描けるようになったら、次のステップへ進みます。

続いて、議論する対象について情報収集→絵に落とす→チームで共有→議論という一連の流れをリアルタイムで繰り返し行い、結論を導き出す応用編へ。

POINT

特に意識しておくべきは、下記のポイント。議論の全体像、ゴールがどこに向かっているのかを予測しながら描き足し、作り上げていきます。

  • メタ的に描く(極力シンプルに)
  • 余白を残しておく
  • 全体像を俯瞰しながら、描き足していく
  • 情報の文脈・つながりが分かるように描く

 ライブ形式で議論しながらグラフィックレコーディング

前項目を念頭に置いた上で、今回は、とある青年のキャリアの悩みを議題に、いざ実践! 

お題:自分の人生に迷えるIくんが、「2015年後半何をするべきか?」を導き出す

〈ユーザーのペルソナ〉

  •   Iくん(仮)23歳
  •  フリーランス ワークショップデザイナー
  •  日本看護大学卒(しかし、病院へは就職していないため、就業経験なし)
  •  好きなことは、「絵を描くこと」「額縁を集めること」
  • 実家住まい
  • 収入は、3月までは月々5~10万程あったが、自分に興味のないものは全て切ってしまったため、現在ゼロ(でも実家だからしなない)
  •  やりたいことは、自分がやったワークショップで学んだ人が関わっていく他の人に対して、有効な“問い”を投げかけられるようになることで、うまく関係性が築けたり、思いを伝えられるようになったり、するようになること。あと、WEB上で、そういう事例をたくさん紹介する問いの美術館をつくりたい。

…という訳で、やりたいことはあるけれど、自分の軸(ポリシーや重んじたい部分)がふわふわしている彼を紐解き、総勢30名による壮大なディスカッション(もとい、キャリア相談会)が2時間ほど繰り広げられることとなりました。

 時に、 質問をして、返事が明確な答えが返ってこないこともしばしば。情報がうまく引き出せない状況下の中で、なんとかちゃんとフィットした解決策を出せないものか…と全員一丸となって、描いては議論・描いては議論を繰り返す。夏休み最後の日に倍速で過去の写真を全部ひっくり返して、絵日記を必死で描きまくっている気持ちです。

「もう、同じ話がループしている気がします…」とぐるぐるループしている絵を描いたり、悩んでいることとその背景を関連付けたり、状況を客観的にみつめながら押し進め、うちのチームのまとめ上げた内容はこちら。最終的には、まず今日答えられなかったあやふやな部分を言語化し、期限をきめてスケジュールをつくろう!という提案になんとか着地。

              f:id:myoncy:20150601222735p:plainf:id:myoncy:20150601222744p:plain

他のチームからは、『一度、看護して働いて生計をたてられるようになったほうがいい』という現実的なものから、『そんなに“問い”と向き合うことが好きなら、いっそ出家してみるのもよいのでは』という俗世を離れたものまで、様々な角度の提案がなされました。

最後に、6チームからでた質問・議論のポイントを清水さんがまとめあげ、みんなの気持ちが一つになった結晶の一枚絵が完成…!

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見える形になると、目的地までの道のりがわかる

4時間のワークショップを通して感じたことは、シンプルに、「絵にすると分かりやすく目で見える形になるので、他者との認識を揃えた上で進めやすくなる」ということ。議論がどこに向かっているか分からなくなってくると、論点をどこに合わせるべきか迷子になりがちなので、その点でとても使える手法だと感じました。

そして、その場でみんなの頭を覗けたことがとても面白く、何よりたのしかった!表現したことに対して、まわりが「それわかる!」と共感してくれたり、新しい視点に気づけたり、「うわ~、確かにそういうことだよね…!」とかゆいところに手が届いた時は、純粋にすごくうれしい。

自分が考えていることを表現していくことは時に勇気もいる気がしますが、これからすこしずつ目見えるかたちにしていきます!