会話をひろげる?考えさせる?相手に投げかける「問い」を考えるコツ

こんにちは、myonです。

日々のMTGから全社の大きな会議まで、日常の中には様々な対話・議論の場があります。どのシーンにおいても、どういった投げかけをするかによって、引き出せるものやその後の展開が変わってくるもの。今回は、「問い」をよりよい形で考えるコツを学ぶワークショップに参加してきたので、大事なポイントを書き記しておきたいと思います。 

概要

そもそも、「よい問い」とは?

安斎先生曰く、巷のファシリテーション力アップ講座では、“その場をいかに回すか”という部分に焦点を当てた問いを考える内容のものが多いけれど、そういった端的なものではない、とのこと。

ワークショップや議論の場をうまく形にできている人ほど、事前準備にかなり時間をかけてプログラムデザインしているので、単発のファシリテーションを目的とするのではなく、事前にじっくり問いを考え→実践するということを繰り返し行っていくことではじめて、活かせる「問い」が考えられるようになるそう。 

「問い」を活用したワークショップ事例を学ぶ

100件以上のワークショップ運営に携わった研究から、いくつかその事例と工夫した点を教えていただきました。企業向け・大学生向けなど、参加者の状況や議論すべき内容によって内容は様々。何度もシミュレーションして、うまくコミュニケーションが展開していくように設計されたそうです。

[Case1] 企業向け

  • テーマ:「これからの企業を担っていくビジネスパーソン向けに企業が生み出すべき価値とは?社会的責任とは?」を考えてもらう
  • 工夫点:そのままの内容をぶつけてもイメージできずに地に足がつかない議論になるのではないか?という懸念を払しょくすべく、具体的な企業名を掲示した上で、「以下の企業はどれくらい価値を生み出していると思いますか?」と、まずは他社イメージを考えてもらう形で導入を設計

[Case2] 大学生向け

  • テーマ:「漫画というメディアはどういうものか?」を分析する
  • 工夫点:メディアを多角的な視点から理解・見ることができ体験型形式にする

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数あるワークショップも、コミュニケーションの流れを分解すると、一人のアイディアを元に開始→それをもとに議論が展開されていくケースが多いそう。そして、会話を細かく分解して分析すると、何を聞くか?どのように聞くか?という「問い」の内容によって、その後の流れに変化があるのだとか…! 

「問い」をつくる

簡単な「問い」を経験してみる

自分達で「問い」をつくってみる前に、まずは簡単なウォーミングアップをしよう!ということで、いくつか自己紹介用の問いを味見することに。

1. 朝ごはんは食べましたか?
2. 朝ごはんは何をたべましたか?
3. 画期的な朝ごはんビジネスを企画してください

1は少し唐突感がある気がするし、2は具体的に聞く内容になっているので、拡げやすいかも?3は自己紹介で話すとしたら、いきなりすぎて苦手な人もいるかも…?等々。かるくやってみただけでも、対話の拡がりには影響があることが分かります。

まずは「よい問い」「わるい問い」について考えてみる

上記の体験をうけて、「よい問い」「わるい問い」とはどのようなものか?を議論しました。どうやら「問い」のよい/わるいは裏返しの様子。議論が活発になったり、会話が拡がるものはよいものだし、逆に議論を止めたり、盛り上がらないものはわるい問いなのではないか…と、この時点では結論づけました。

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「問い」を作成してみる

それを踏まえた上で、実際に自分たちで「問い」を考える実践編へ。

≪お題≫

動物愛護団体が都内の私立大学生向けに、動物と人間のよりよい関係性を考えてもらうワークショップを実施したいと考えています。ワークショップで実施する3つの問い(議題)を考えてみる。

40分あったのですが、全然時間が足りなかった…!『ユーザーはペットを飼ったことがある人・ない人の両方がいるはずだから、どちらにとってもイメージできるようにしないと…』と、必死に議論していたのですが、アイディアは出るものの、堂々巡りでうまくまとまらず、とても無難な「問い」になってしまいました(涙)

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 「問い」を体験する

この後、各チームでつくった「問い」を全チームで投票し合い、「いいね数が多いもの」「いいね&これはちょっと…の総数が多いもの」の2つを実際に体験してみることに。私達は下記のお題に参加させていただきました。

1. クラスで食用として育てているブタを食べることができますか?

2. 食べてよい動物と食べてはいけない動物のちがいは何ですか?

3. ブタは食べるべきですか?

 この「問い」を紐解いてみると、とても深い…!ブタさんを飼った経験がある人はあまりいないけれど、そういった設定にするとみんなの経験値がゼロベースに揃えることができる。また、自分が育てたという愛着がある動物について思いを馳せた後に、食べてよい・わるいという価値観を問うことで考えさせられる展開に。

参加者の知識量や経験値・関係性などをイメージして「問い」を設計することがいかに大事なことか、を実感した体験でした。 

ゴールを決め、全体を設計する

今回のワークショップ1回だけで『これがよい問いの設計方法だ!』という解が明確に出た訳ではありません。ただ、自分達で「問い」をつくり・体験したことで、ゴール設定とその場の状況(ユーザー、環境など)を踏まえた導線を考え、表現していくことが、どんな場面においても大切なんだということが、よく分かりました…!

 最終的なゴールを描き、まわりと摺り合わせてからはじめる

特に“この「問い」だと議論が盛り上がりそうだね”、“この「問い」はちょっと物議を醸しそうだよね”と、反響が多かったチームの方に設計方法を伺ったところ、

このワークが終わった時にユーザーがどういう状況になっているかをまず初めに考え、そこから逆算して考えた

と教えてくれました。

私達のチームも、確かにユーザーの状況を踏まえて考えようとしていたけれど、一番大事なその部分が抜けていました。それがないと軸がぶれるし、何を残し、何を変えるべきかが迷子になってしまう。案の定、途中で議論が途絶え、考える手が止まっていたのです。分かっていたつもりだったけど、このワークを通して、改めて大事な部分なんだなと痛感しました。

状況によって「よい問い」の最適解は変わる

『「問い」についての議論を整理しよう!』とした際、はじめは「よい問い」「わるい問い」というラインで分けようとしていました。しかし、チームで話していく中で、質問内容を見ただけで、よい/わるいと決められるものではなく、その時の状況によって、最適解は異なるという結論に至りました。

「明日のランチMTGで食べるお弁当を何にするか?」は、注文する時間や予算を鑑みてすぐに結論が出た方がいい。でも、「自然と人間が共存してく方法をどうしていくか?」は、単発の会議で答えを出すよりも、ずっとその視点をもって考え・行動してもらう気付きを渡せる形になった方がいい。

人や時代や社会がかわると、それに伴って「問い」も変化する。変化を読み取って反映できてこそ、よりよい対話や議論の場をつくることに繋がっていく。

 今回のワークショップだけで終わるのではなく、これからその場や状況を汲み取っていけるよう、しっかり目を凝らして進めていきたいと思います。